ファクタリング、実は種類が多かった!
仕組みを理解する上で、まずは全体像を図解
ファクタリングと一口に言っても、その種類は豊富です。まず大きくわけて「保証型」と「買取型」がありますが、世の中のファクタリングのほとんどは買取型です。
また買取型の契約形態には、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。これを基本として特化型のファクタリングというものもあり、具体的には医療専門ファクタリング、国際ファクタリング、オンライン特化ファクタリングなどが挙げられます。とりわけオンライン特化型は手続きの仕組みが他とは違います。
とはいえ、ファクタリングの仕組み自体は非常にシンプルなものです。今回はファクタリングの基本について解説します。
様々なファクタリング | ||
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目的による違い | 買取型ファクタリング | 保証型ファクタリング |
契約形態の違い | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
専門分野 | 医療ファクタリング | 国際ファクタリング |
※医療ファクタリングの種類 | 診療報酬ファクタリング・調剤報酬ファクタリング・介護報酬ファクタリング | |
手続き方法の違い | オンライン型 | 対面型 |
[買取型と保証型]
2つのファクタリングの仕組みとは?
ファクタリングには買取型と保証型の2種類がありますが、一般的にファクタリングといえば買取型のことをいいます。この章では買取型と保証型の両方を説明しますが、この記事でファクタリングと言えば買取型だと認識していただければ幸いです。
買取型ファクタリングの仕組み
買取型ファクタリングはほとんどのファクタリングサービスで採用されている形式であり、売掛債権をファクタリング業者に譲渡することで売掛金分の現金を受け取れるサービスです。いわば、数週間~数ヶ月先に入金される売掛金を前倒しで受け取ることができるものと考えていただければわかりやすいです。主な売掛債権は請求書です。
保証型ファクタリングの仕組み
保証型は売掛債権を担保として、保証契約を締結します。ファクタリング会社は売掛金分の現金を利用者に支払い、取引先から売掛金が入金されたら、利用者はファクタリング会社にそれを支払います。
さらに詳しく!
ファクタリングの仕組みを教えて
ファクタリングの仕組みについて、わかりやすく図にまとめました。以下のような流れで現金を受け取ることができます。
売掛債権を売却し現金化する仕組み
ファクタリングは売掛債権をファクタリング業者に譲渡し、対価として売掛金分の現金を受け取ります。いわば、売掛債権を商品として売るようなイメージです。一般的に入金時に数%の手数料が差し引かれ、これがファクタリング業者の利益となるわけです。
債権譲渡なら手形とどう違う?
手形とは決められた期間に代金を支払うという約束が記載された証書です。古くからビジネスの現場で使われており、特に金額が大きい建設業界でよく使われています。手形には為替手形もありますが、ビジネスにおける手形のほとんどは約束手形です。
しかし手形の場合は倒産や債務不履行のリスクがあり、もしこのような状態に陥った場合は支払いがなされないことがあります。たとえば手形取引を行った場合、取引先が倒産した場合は代わりに代金の支払いを求めることができます。これを償還請求権と言います。
一方でファクタリング会社は債権譲渡を売却するため、償還請求権がありません。取引先が倒産したとしても、利用者がファクタリング会社にその穴埋めをする必要はありません。
手形について詳しく知りたい方は「ファクタリングと手形割引、結局どっちが良い?電子手形も徹底解説」をご覧ください。
仕組みの違いを比較
~ファクタリング、融資、ABL~
ファクタリングに似たものとして融資やABLが挙げられますが、それぞれ特徴が異なります。
まずファクタリングは売掛債権買取であり、お金を借りる融資やABLとは根本的に異なります。審査期間についても、ファクタリングが即日~3日間で審査が終わるのに対して、融資とABLは短くても1週間、数か月かかることもあります。ファクタリングは審査も比較的通りやすいのも特徴です。
またファクタリングはノンリコース(償還請求権なし)であり、融資やABLのように利息がかかりません。その代わり手数料が必要となり、代金支払時に差し引かれます。
3つの比較~ファクタリング、融資、ABL~ | |||
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比較項目 | ファクタリング | 融資 | ABL |
契約形式 | 売掛債権買取 | 融資 | 融資 |
入金期間 | 即日~3日 | 数週間~数ヶ月 | 1週間~数週間 |
審査対象 | 売掛先の信用 | 債務者の信用 | 売掛先の信用 債務者の信用 |
審査通過レベル | 低 | 高 | 中 |
利息の有無 | 無し ※手数料有り | 有り | 有り |
弁済の義務 | 無し ※ノンリコース | 有り | 有り |
結局ファクタリングは何が良いの?
~メリットを要約~
ファクタリングは早くて申し込み当日に現金化できるので、会社の運転資金の確保や支払いなど急いでいる場合に特におすすめです。前述のとおり融資ではないので、決算書上の負債にならないため、信用情報に傷がつくこともありません。
また審査は利用側の状況はあまり関係なく、請求先の企業の経営状況に問題がなければ簡単な手続きで、審査に通る可能性も高くなります。
ファクタリングの主なメリット |
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申し込み当日など短期間で資金調達可能 |
決算書の負債にならない |
手続きが簡易的 |
審査が比較的緩い |
[ファクタリング契約方法]2つの仕組み
ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」という2種類があります。それぞれを詳しく説明していきます。
2社間ファクタリング
請求先の企業に通知をせず、利用者とファクタリング会社で行うファクタリングです。利用者はファクタリング会社に売掛債権を売却し、その対価として現金を受け取ります。売掛先から売掛金が入金されたら、ファクタリング会社にそれを支払います。
メリットはクライアントに知られることなく現金化できる点です。一方で3社間と比べて手数料が割高であることが多く、やや審査が厳しくなる傾向にあるのがデメリットです。
3社間ファクタリング
3者間ファクタリングではファクタリング利用者とファクタリング会社の他に、取引先も関与します。ファクタリングを売却してファクタリング会社から支払いを受け取るまでの流れは同じです。取引先は売掛金の支払日になったらファクタリング会社に直接入金します。
売掛金を支払う取引先が関与することで、ファクタリング会社にとっはリスクが少ないため、審査に通過しやすく、手数料も抑えることが可能です。一方で取引先にファクタリングを利用していることを取引先に知られてしまうことがデメリットと言えます。
診療報酬や介護報酬のように、相手が民間でなく国や地方公共団体の場合はさらに信用度が上がる他、取引先に知られてもそれほどデメリットはないと言えます。
結局違いは何?メリット・デメリットも比較!
2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社のみが行うので、取引先に知られることがなく、信用を守ることができます。
3社間は取引先に知られることになってしまいますが、ファクタリング会社にとっては直接売掛金を受け取れるためリスクが低く、審査により通りやすくなります。また手数料が安めに設定されていることが多いです。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリング。仕組みに違いがありますが、借り入れではない点、短時間で資金調達が可能である点、審査が比較的ゆるい点など、基本的な部分は一緒です。
2社間・3社間ファクタリングの決定的な違いを比較 | ||
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比較項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
売掛先会社に知られるか? | 知られない | 知られる |
手数料 | 3社間より高め | 低い |
医療専門も!
医療ファクタリングの種類と仕組みを解説!
近年では医療法人や医療機関が利用できる医療専門のファクタリングが登場しています。診療報酬ファクタリング、介護報酬ファクタリング、調剤報酬ファクタリングという種類がありますが、いずれも一般的なファクタリングと基本的な仕組みは同じです。
ただし、一般的なファクタリングと比較すると若干違いがあります。まず挙げられるのは手数料が安いということです。基本的に医療ファクタリングは3社間ファクタリングとなるのですが、報酬を支払うのは公的機関であるため、ファクタリング会社にとってはリスクが大幅に低くなります。
また医療関連は入金されるまでに時間がかかるため、ファクタリングを利用することによってキャッシュフローをよくすることができます。キャッシュフローを改善すれば、給与などの固定費を支払いやすくなります。また、ファクタリングは用途の制限がありません。人材の新規採用や新しい病院やクリニック、施設などの開業資金にしたり、違う事業の初期投資に回したりなど、さまざまな使い方ができます。
3つの医療ファクタリングの種類 |
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診療報酬ファクタリング |
介護報酬ファクタリング |
調剤報酬ファクタリング |
診療報酬ファクタリング
診療報酬ファクタリングとは、後日入金される医療報酬債権をファクタリング会社が買取り、現金化することです。詳しくは「【実例有・完全網羅で解説】診療報酬ファクタリングって本当のところどうなの?」で詳しく説明をしています。医療機関や医療法人が使うことができます。
介護報酬ファクタリング
介護報酬ファクタリングは介護報酬を受け取っている介護事業者や介護施設が対象となります。国民健康保険団体連合体に対して請求する介護保険給付費分の現金を、ファクタリング会社を利用することで先に手に入れることができます。
介護保険給付費を受け取るまでは60日前後かかりますが、それを数日で現金化することができる介護報酬ファクタリングサービスはかなり便利なサービスと言えます。やはりキャッフローが向上することにより資金繰りの改善ができるほか、新規施設や新規サービスの初期投資、介護士の増員など、事業の幅を広げるための資金として使うことが可能です。
調剤報酬ファクタリング
ファクタリング利用者が調剤薬局の場合は、調剤報酬ファクタリングを使うことが可能です。手数料は0.2~2%前後が多く、一般的なファクタリングサービスよりかなり割安で利用できます。
入金日は契約内容やタイミングにもよりますが即日また数日であることが多く、キャッシュフローを改善することが可能です。また毎月の国民保険や社会保険の入金日に合わせてファクタリング分の現金を入金できる仕組みを取り入れているファクタリング会社もあります。
キャッシュフローの改善や、薬剤師やスタッフへの給料支払い、そのほか固定費の支払いに使われることが多いです。
国際ファクタリング?仕組みを解説!
国際ファクタリングとは、輸出をする際に取引先からの代金を確実に回収する方法の一つです。一般的に一流銀行の取消不能信用状(Irrevocable Letter of Credit)や保証状(Letter of Guarantee、Stand-by Letter of Credit)を使うことが多いのですが、輸出貿易における保険を利用する場合もあります。
輸出の商談をする場合、ファクタリングを使うことにより支払い保証を100%得ることができます。
手続き方法にも種類有り!
最近流行りのオンラインファクタリング?
オンラインファクタリングは、その名のとおりオンラインのみで契約が完結するファクタリグの方法です。パソコンやスマホを通じ、ネット経由でやりとりをするので、ファクタリング会社に出向いて面談をしたり手続きをしたりする必要がありません。特に遠方ファクタリング会社を利用する場合は、時間や交通費がかかってしまい、結果的に大きな損失を被る場合があります。
また昨今では新型コロナウイルス対策になるというのもオンラインファクタリングを使う大きなメリットです。人と会う機会をなくすことができるため、感染のリスクは当然ながらありません。
またオンラインファクタリングでは提出書類を24時間365日受け付けています。夜間や休日に提出しておくことで、ファクタリング会社の営業時間に入ったら、スピーディーに審査を受けることが可能です。審査までの時間、そして現金化までの時間が短くなります。
店舗とオンラインの両方を選択できるファクタリング会社もあります。たとえば初回は面談でじっくりと話を聞いて、次からはオンラインという使い方も可能です。
【注意】給与ファクタリング
(個人ファクタリング)は違法!
会社員の方でも、何らかの事情で給与を前倒しして受け取りたいと思うことあるかもしれません。確かにファクタリングは融資ではないため、現金がスピーディーに受け取れ、利息がつかないメリットもあります。
しかし給与ファクタリングは違法であるリスクがありますので、十分に注意をしてください。
給与ファクタリングの仕組みを解説
~こんな内容なら絶対注意~
給与ファクタリングは、勤め先に知られず給与を前もって受け取れるという建付けになっています。しかし、実際にはファクタリングを謳った闇金あるいは貸金業登録をしている金融会社であるケースが大多数です。
特に貸金業登録をしていない場合は、闇金である可能性が高いので十分注意が必要です。闇金は存在自体が違法です。法の網をかいくぐるため、高額な利息を要求し、予定通りに全額返済をしたとしてもさらに強引に貸し付け、取り立てをしてくる場合もあります。
また闇金業者に個人情報を提供してしまうと、他の闇金業者や悪徳業者にも情報が売り飛ばされてしまい、悪用される可能性も十分にあります。
摘発事例
~金融庁の注意警告もあり~
無登録で給与ファクタリングを謳う闇金業者や悪徳業者が摘発されるケースも出てきています。2018年6月以降約9万7千人に給与ファクタリングと称して法外な利息でお金を貸し付け、約13億円の利益を出していた業者が摘発されたという事例もあります。まだ摘発件数自体は少ないのですが、給与ファクタリングの皮を被った悪徳業者や闇金は相当数存在すると考えられます。金融庁でも注意喚起をしています。
参考:金融庁『給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!』
給与ファクタリングの利用を検討されている方は、必ず一度目を通してください。
仕組みを踏まえた利用の流れ
ファクタリングの仕組みはだいたいご理解いただけたかと思います。ファクタリングを利用する流れをわかりやすく図でまとめました。
以下では実際にファクタリングを利用する際の注意点をご説明します。
ファクタリング審査では何を見られるの?
ファクタリングの審査では、主に売掛債権先の企業の運営状況や信頼度が見られます。ファクタリングで重要なのは売掛金が取引先から支払われるかどうかなので、利用者の状況はそれほど関係ありません。経営状態が悪い、融資の審査に落ちているといったケースでも、ファクタリングが利用できる可能性は十分にあります。
しかし利用者との信頼感も重要です。特に初回利用時は必要な書類が多かったり、手数料が高かったりします。何度がファクタリングを利用して実績を積むごとによって、手数料がだんだんと安くなるという料金体系をとっているファクタリング会社も少なくありません。
審査の際には実際にその企業から振り込まれているかどうかを確認するため、通帳の提示を求められるケースもあります。ファクタリング会社では、返済をされないケースも想定し慎重に審査をしているためです。しかし、しっかりと入金されていればそれほど心配はありません。融資などに比べれば審査ははるかに通りやすいです。取引先の経営状態が安定しており、必要書類がしっかりとそろっていれば問題ありません。
急ぎの資金調達が必要な方!
当社は最短5時間で入金対応可能です
ここまでファクタリング会社の仕組みをご紹介してきました。
ファクタリングはシンプルな仕組みなのですが、種類はいくつもあります。保証型と買取型の2種類ありますが、ほとんどは買取型です。また2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。
また、上記の他にも医療専門や国際ファクタリング、オンライン型など、さまざまな種類の特化型ファクタリングがあります。いずれも基本的に仕組みは同じですが、たとえば医療専門ファクタリングであれば、国や地方自治体から支払われる医療報酬が対象となるため、ファクタリング会社にとってリスクが低く、手数料も一般のファクタリングより低めになるなどの違いはあります。
資金調達の方法として非常に便利なファクタリングですが、ファクタリング会社の中には悪徳業者や闇金業者も存在するので十分気を付けてください。ホームページに所在地が記載されていない場合や、高い手数料を設定している場合は疑ってかかるべきです。融資と比較して気軽に利用できるファクタリングだからこそ、会社選びは慎重にする必要があります。
ファクタリングの利用を検討されているなら、富士桜ファイナンスにご相談ください。福岡県にございますが、オンラインでの利用も可能で、九州内の他県はもちろん、全国対応も可能です。会わずに最短5時間で入金可能。手数料も最安1.5%とリーズナブル。償還請求権なし(ノンリコース)で安心。一般的なファクタリングのほか、特化型ファクタリングについても対応可能です。
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